2020-07-19 Sun
近頃はこのアルバムばかり聴いている。「DONNY HATHAWEY / DONNY HATHAWAY」
スティービー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、オーティス・レディング、アル・グリーン、好きなソウルミュージックの歌手はたくさんいるけれど、カーティス・メイフィールドを抑えて、自分の中でのking of soulはダニー・ハサウェイだ。
声に高音も素晴らしいのだけれど、低音に含まれる倍音に震える。
節回しも独特で、高音から低音へ下がる時に、階段を軽やかに駆け下りるようなヴィブラートを掛けている。
またタイトな演奏から逸脱して少し遅れ気味にルーズに歌いながらも、フレーズの帰着点はピタッと静止するというような大胆で精密な体感能力は、さながら秀逸な器械体操選手のようだ。
彼のソウルは、黒人特有のたぎるような血と汗の匂いがしない。
ファンキーなノリの曲でさえ、極めてナイーブで静謐ささえも感じられる。
このアルバムの中で特に好きな曲は「He's ain't heavey,He's my brother 」。
神様は遠く拝むものじゃない、神様は友達。
そう歌った彼は高層ビルから神の国に飛び立った。
純粋な人が自ら死を選ぶ。
こんな世界はもう終わりにするべきだ、と誰もが思っていながらそれができないのはなんでだろう。
なんでだと思う?

だろう。