2019-12-08 Sun
未だ見たことはないけれど、自分が子供の頃には無かった3Dや4Dといった映画が沢山上映されているようだ。3次元の世界の中で、3次元を体感するという少し奇妙なアトラクションではある。
日常では経験することができない嗜好体験を脳に与えて快楽を得るのは、平々凡々な我々の日常においてそう悪くない娯楽なのではないか。
宇宙に行ったり、タイムスリップしたり、恐竜の居るジャングルを駆け回ったり。
非日常。
非現実。
有り得ない疑似体験をする自分。
これが例えば、アクション映画などではなく、もっと現実的な、日常風景を切り取ったドラマになるとどうだろう。
現実の自分にも起こりうる事象、それを3Dで俯瞰する。
あっちの世界でも紆余曲折、七転八倒、何だか見たこと聞いたこと体験したことがあるような人生をやってるじゃないか。
ああここは見たことがある街だな。
見つめる世界とこちら側の現実世界の境界線が揺らいで、薄れる。
テクノロジーが発達し、仮想現実があらゆる分野において生活に取り入れられてきている昨今。
人は常にリアリティがどこに既存しているのかを確認しながら生きていく必要が少なからず出てくるのではないか。
それは3Dスクリーンの中じゃなくて、PCやスマホのディスプレイの中じゃなくて、「嘘みたいに本当な」空や大地を見つめる眼の中で生まれるものだ。
僕は電車の中で、静かに窓の外を眺めて、物思いに耽っている人が好きだ。