2018-03-12 Mon
チェンダオの街からソンテオに乗ること約15分、シャンバラまつりの会場であるキャンプ場に到着した。入り口のゲート付近には参加者と思われるヒッピー風の異国の民が大勢いる。
このまつりは日本人が主催しており、スタッフはほぼ日本人だが、参加者は世界中津々浦々からやってくるようだ。
受付でチェックインを済ませて、毛布と寝袋をレンタルする。
レンタル寝袋は最後の一個だったようで助かった。
タイと言ってもここは標高の比較的高い山の麓なので、朝晩は寒い。
会場内に入ると、芝地が広がっており、それを囲むようにしてステージや出店が並んでいる。
見上げれば、タイで三番目に高いチェンダオ山がひしひしと迫っている。
空気が澄んでおり静謐感のあるすばらしいところだなと感じる。

「空と山と雲、まつり会場」
本日は10日間に渡って開催されるまつりの初日で、時間も早かったということもあり、まだ会場内は混雑していない。
今のうちに日本からはるばる担いで来たテントを張れる場所を探すことにした。
うろついていると、先ほどソンテオで相乗りした日本人のナイスカップルが、会場内に流れる河の向こう側に静かな場所があるよ、と教えてくれたので早速行ってみる。
河に架かる小さな木の橋を渡ると、何かの果樹と思われる3~4mほどの木々が点在しているエリアについた。
エリアのはずれでは牛が草を食んでいたり、野犬が走り回っていたり、長閑である。

「きょうからここが我が家です」
風と陽避けになる適当な木を見つけて、その脇にテントを張った。
それから会場内をふらふらしていると参加者が続々と到着し、夕方にはテントでいっぱいになった。
早めに到着しておいてよかったな。
会場から歩いて5分くらいのところに温泉があるというので、夜の宴の前に行ってみた。
温泉場は河に併設されており、土管が7〜8個並んでいて温泉を引いたパイプが敷かれている。
一つの土管は大人3人くらいが入れる広さだ。
脱衣所はなく、水着を着用して老若男女、国籍、人種ごちゃまぜにお湯に浸かっている。
これは何ともピースフルなホットスプリングではありませんか!

「欧米人は横の川を水風呂代わりにして温泉と交互に浸かっている。欧米人はどこでも元気だ。冬に来日する欧米人はなぜTシャツでも平然としているのかという疑問に共通する行為だ。」
岩に服を置き、早速入る。
ややぬるいがまぎれもなく温泉だ。
しばらく浸かっていると、隣の土管の白人男性が、俺はもう出るからこっちに入れという。
そちらに移動すると、こちらの土管の湯のほうが暖かい。
なるほど、お湯の温度が異なるパイプが何本かあり、接続している土管がそれぞれ違うのか。
みなそれを知っているからか、丁度良い湯加減と思しき二つくらいの土管はずっと満員である。
まわりの土管からは、次にその土管が空いたなら我先に行かんっ!という熱い視線が注がれている。
譲ってくれた土管はまずまずの湯加減であったので、サバーイ(タイ語で気持ち良い)な土管を巡るインターナショナルな競争から脱落し土管を出る。
温泉大国日本の民として、岩風呂、砂風呂に続き土管風呂の入浴経験が我が経歴に輝かしく加わったのである。
満足しながらキャンプ場へとてくてく戻っていると、道の端に何やら落ちている。
近づいて見ると、それは物ではなく生き物である。
それも世界◯見えとか世界の果てまで行って◯とかでしかみた事ない輩だ。

「思わず手ブレするビビりショット」
戻るころにはもう陽も落ちて、お店やステージには明かりが灯っている。
お腹も空いてきたところで、タイ人のやっているベジフードのお店でパッタイを食べながらchangを飲む。

「おいしいパッタイをつくるおばちゃん」
ステージでは演奏も始まった。

「外で聴く音楽はいい。外で演る音楽は木や鳥も聴いている。」
大きな自然の中に囲まれながら、そんなひと時を過ごせることに喜びと感謝を感じながら、楽しく夜は更けていった。