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■プロフィール

MAMEFUTATSU

Author:MAMEFUTATSU
TORU(Vocal/Acoustic Guitar)とARISA(Piano,Keyboard/Chorus)による音楽グループ。

2015年7月、結成。
2016年9月、初音源集「SOUNDSCAPE」を発表。
2019年2月、2st「I Will Never Die」を発表。
2022年11月 3rd「Country driver」を発表。
全作品はitunes等各配信サイトより配信中。

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シャンバラ紀行文(三日目_中編)
アカアマコーヒーから戻った後、荷物をまとめてチェックアウト。
ソンテオを捕まえて、市街地の北側にあるバスターミナルへ向かった。

走ること約5分、ターミナルに到着。
5〜6台の大型バスがロータリーに停車している。
券売所でチェンダオ行きの切符を買い、バスに乗り込む。

IMG_4294.jpg
「バス。おもってたよりきれいです」

ぬしのギータは席の網棚に積みなさい、と運転手のおっちゃんがいうので、恐る恐る入れてみるとすっぽり入った。
山道のカーブで落ちてこないとよいけれど。。

そんなことをしていると、テンガロンハットを被った胸部の露出度がやや高い白人の紳士が声をかけてきた。
「シャンバラへ行くのかい?おれもだぜ。まったく最高の気分だぜ。楽しく行こうぜ!」という感じで、オープンしたハートが丸出しである。
カリフォルニアから来たという彼は、シャンバラまつりには何度も参加したことがあるらしい。

話をしていると、今度はタイ人のおばはんAが大声で話しかけてきた。
どうやらこのバスは指定席で、愚生の座っているところはおばはんの席だったようだ。
「ソーリー、ソーリー」と言うと、おばはんAは英語を流暢に話し、自分の席の場所を教えてくれた。
チェンダオに行くと言うと、「オーケー、オーケー!あたいもチェンダオだから、降りるときに教えてやららいポーン!」とニコニコスマイルで言ってくれた。
優しきニコスマ・タイ・マダム。

ほどなくしてバスは満席となり、出発。
ここからチェンダオまでは約1時間半くらいだ。
バスには当然クーラーなど付いていないけれど、天井の扇風機と窓から入って来る風で心地よい。
ブロロロー、スイスイ。

渋滞もなく軽快にバスは進んでゆく。
途中でバス停に立ち寄りながら何人かの乗客が乗ったり降りたりしている。
座席指定であるのに、全然席数が足りていないので、常に5人くらいは通路に立っている。
席は2人掛の席に3人座っている。
丁度空いた隣の席にタイ人のおばはんBが着席した。
こちらもタイランドの由緒正しきニコスマダムである。
タイ語で話しかけられるが全然わからないので、こちらもニコスマイルを返しながら、うんうんと頷くと、おばはんは満足げに視線を前方へ向けた。

言葉が通じ合わない人たちと接するとき、意味がなんだかよく分からないけれど、伝えようとしていることに対して肯定的な態度を示すと、「私はあなたの言うことを尊重します」という最低限で最大限の意思のみは伝わるなと感じることがある。
とりあえず、YES。
ジョンレノンがオノヨーコの個展に初めて出向いた際、白い部屋の中には階段があって登って行くと、壁に「上を見なさい」と書かれていて、上を見上げると「YES」と書かれていた。
ジョンレノンは、これが「NO」とか他の肯定的でない言葉であったなら、即刻その場から立ち去り、ヨーコと会うこともなかっただろうと回想している。

「あなたは何処へ行くのかい?」
「YES。〜私は何処かへ行きます、あなたと同じように〜」

そんなことを考えていると、おばはんBがカバンの中から、ビニール袋に入ったトウモロコシをいそいそと取り出して食べ始めた。
ちょうどお昼時である。
優しいおばはんはこちらに向かって、食べるかい?とトウモロコシを差し出してくれる。
生憎お腹がいっぱいなので、お断りした。
おばはんBは食べ終えると、うつらうつら舟を漕ぎ始めた。

景色はだんだんと街から森へと変わって行く。
一抹の不安がよぎる。
そういえば、タイって虎いるんだっけ。
北部地方には虎がでるということを聞いたことがあったような、なかったような。。
やや不安な気持ちでいると、何やら太ももが熱い。
見ると、おばはんBの手に握られたトウモロコシ入りのビニール袋が左太ももに密着しているではありませんか!
先ほど申したように、2人掛けの席に強引に3人で座っているので、ほとんど身動きが取れない状態なのだ。
いつまでこの状況が続くのであろう、おばBはぐっすりとおひるね中である。
先ほどまで涼しかった車内も、日が昇りやや暑くなってきた。
それにつけてこのトウモロコシとは、我が精神の不調を来すに値する。
さらに山道の急勾配と急カーブが拍車をかけて、網棚のギータが落ちてこないか気が気ではなくなってきた。
いや、血に飢えた虎の熱い舌に、左太ももを舐められるのに比べればこんな状況まだマシだ!と己を奮い立たせ耐えることにした。

遠い異国の見知らぬ土地を、色々と耐えながら走っていると、山道を抜けてちょっとした街へ差し掛かる。
ひょっとしてここがチェンダオかな?
ほどなくすると、街中のバス停に停車。
バスのアナウンスなども特にないので、ここが何処なのかよく分からない。
まあアナウンスがあったとしても、タイ語なので分からないのだが。
降りそびれたら面倒なことになるな、でもまあ、わしにはニコスマおばはんAが教えてくれるから大丈夫だし。
とやや余裕ある心持ちで窓の外を見ると、あれ、おばAが見えるでは有りませんか!
そしてシャンバラ常連のカルフォルニア出身のテンガロンハットを被った胸部の露出度がやや高い白人の紳士も見える!!
やっぱりここがチェンダオなのね!!!
あのう、全然教えてくれないではありませんか!!!!
急いで、網棚のギータと重いバックを担ぎ、只今出発せんとするバスから飛び出すように下車した。
おそるべしタイ・オバ。

そこからは、カリフォルニアのおっちゃんと、同じバスに乗車していた日本人のシャンバラ参加者の人たちと、ソンテオをチャーターし、市場などに寄りながら会場へと向かったのである。

IMG_4297.jpg
「胸部紳士がオススメする市場。」

IMG_4298.jpg
「タイのマンゴーとバナナはうまい。」

ちなみにタイではたまに野生の虎が出没するようである。
ぶるぶる。

つづく






テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽

旅なんです | 11:55:39 | コメント(0)
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