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■プロフィール

MAMEFUTATSU

Author:MAMEFUTATSU
TORU(Vocal/Acoustic Guitar)とARISA(Piano,Keyboard/Chorus)による音楽グループ。

2015年7月、結成。
2016年9月、初音源集「SOUNDSCAPE」を発表。
2019年2月、2st「I Will Never Die」を発表。
2022年11月 3rd「Country driver」を発表。
全作品はitunes等各配信サイトより配信中。

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ホイアン紀行文(4日目)
少しずつ身体がこの土地に慣れてきた。
今日は8時に起床。
何となく音を録りたくなって、ベットの上で相方に鍵盤ハーモニカを吹いてもらう。
床が大理石で出来ており、反響が独特で良い感じなのだ。
少し窓を開けて外の音も入るようにしてみる。
今回の旅の目的のひとつに、ホイアンの色んな場所の音を録ったり演奏したりして、それを持ち帰って何か形に出来ないかなと考えていたのだ。

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「朝のラフなレコーディング」

今日でこのホテルはチェックアウトし、別のホテルに移る。
次のホテルはプールがあるらしく、物凄い楽しみにしている人がいる。
アットホームな雰囲気のホテルの人達に別れを告げ、一先ず腹ごしらえのためバインミー屋へ向かう。

市街地にはバインミー屋が多い。
我々は肉を食べないのだか、ベジタリアンやヴィーガン専門のバインミー屋さんも複数あり、毎日違うお店へ繰り出しているのである。
看板やメニューにchayと書かれたものは、台湾でいう「素食」すなわち菜食なのだ。
目当てのお店というか屋台に到着すると、おばちゃんが「チリは沢山入れるかね?少しだけかね?まあ少しだけだろうね、あなた達に関しては。」と問いかけと回答を1人で済ませると、パンに具材をせっせと詰めて直ぐに作ってくれた。
「ありがとう、ベトナムの淑女。いつか我らが日出る国、日本に来られた際には、ワサビとカラシというものには気をつけなされよ。いとをかし。」という雰囲気を出しつつ、バインミーを受け取り店を後にした。

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「チリ奉行の淑女」

丁度店の目の前が貯水池になっており、その周りの歩道端で食べる。
「なるほど、先ほどの淑女の絶妙なチリ加減。バインミー作りもベテランともなると人相を見ただけでその人物に丁度良い辛さが分かるのかも知れない。あなや。」と驚嘆しつつ完食。

折角なのでお店が並んでいるその辺の音を歩道を歩きながらマイクで録る。
不思議なことにマイクを持ってうろついていると、あんなにしつこいタクシードライバーや、物売りの人達が声をかけてこないので、嬉しさ半分寂しさ半分である。

その後、今日チェックインするホテルに歩いて向かう途中で食堂に入り、フォーを食べる。
麺がツルツルで美味しい。えのきを揚げたものと、薩摩揚げの形をした恐らく大豆ベースのボール状の揚げ物が入っている。
お店で対応してくれた20歳手前くらいの女の子は日本語を勉強しているようで、「日本語上手だね」というと「まだまだです。」と中々に高度な受け応えをしてくれた。

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「フォー」

店を出て少し歩くと、急に雨が降ってきた。
南国特有のスコールだ。
この辺の人は慣れているようで、バイクに乗っている人は皆いつのまにかカッパを来ている。いつも座席下などに入れておくのだろう。
まあじきに止むだろうと店の軒先で雨音を録音したりしていたら、程なく止んだ。

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「雨宿りさせてもらった軒先にあった看板」

無事ホテルに到着し、プールがあることを物凄い楽しみにしている人がプールの位置を確認したのち、チェックインする。
市街地から少し離れた場所にあり比較的静かだ。
バルコニーがあるのでマイクを立ててみると何やら音が聞こえてきた。
何を売りにきているのかわからないが、後ろの荷台のところに透明のショーケースがついているバイクが、時折目の前の道路を通り、スピーカーから商品名と思われる言葉をおじさんの声で流している。
きっとバイクを運転している齢70歳くらいのおじさんが自ら吹き込んだのだろう。
日本の竿竹売りやちり紙交換のテンションに近いが、それより若干暗めのトーンで、何だかお経のような陰鬱な調子だ。
そんな陰鬱な声で一体何を売りにきているのだろうか、線香や最新鋭の位牌でも売りにきているのか、などと想像を膨らませていたが、後日近くで見てみたら何のことはない、白い饅頭であった。
しかし饅頭であるなら、もう少し明るい感じの声を流しても良いのではないか、せめて若い女子に、そのような知り合いがいなければ姪っ子でもいいんだから、吹き込みを頼んでもう少し陽気な雰囲気を出せば良い、バックにモータウン系コーラスグループのアップテンポな曲がつけば尚良いけれど、技術的に厳しいようならまあなくても良い、でももしかしたら甥っ子のほうがそういうのは詳しいかもしれないから確認してみたほうがいい、そうすればもっと饅頭も売れそうな気がする。
等々、饅頭屋の姪っ子甥っ子を巻き込んだ経営戦略を勝手に練ったりしながら、ベットの上でしばし休息。

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「戦略を練る間に肝心の饅頭屋の声を取り逃がす」

夜になり、穴蔵から抜け出すようにモソモソと動き出す。
夕飯の時間だ。
いつもの通り旧市街地まで向かい、気になっていたヴィーガンレストランに入る。
鶏が放し飼いの庭とテラスが素敵な場所で、バインセオという米粉の生地で出来た円形の薄いお好み焼きのような形をした生地に、野菜や豆など色んな具材を載せて包んだものを食べる。
ベトナムのメジャーな食べ物らしく、街中の屋台でも良く見かける。
他にも何やら美味しそうなメニューが目白押しなので、食べる前からまた改めて来よう!ということになった。
ここはお酒がない健康的なところなので、黙って食事に勤しみ、ホテルの前の食堂でサイゴンを一杯ひっかけて帰宅し、4日目が終わった。

(つづく)


テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

旅なんです | 08:57:57 | コメント(0)
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