2023-02-01 Wed
今作っている作品に、急に子供の声を入れたくなった。公園にでも録りに行こうか、と思った時にふっと思い出した。
何年か前、鹿児島にある父親の実家に行った際、亡くなった祖父の軍歌&演歌カセットコレクションの中に紛れていた一つのテープ。
「子供達のオシヤベリ」と書いてある。
それだけ抜き取ってそのまま押し入れにしまったままだった。
緊張しながら、おもむろにカセットデッキにテープを差し込む。
数秒の無音の後、荒い音質の中から祖父母の声と子供達の声、食器の当たる音、テレビのニュースが流れている音が聴こえる。
どうやら祖父母の家に子供達だけで泊まりに行った時の食卓の様子らしい。
話から推測すると、おそらく自分が5歳くらいだろう。
亡くなった祖父が蘇ったように、懐かしい声で話している。
そして、自分で自分の声をこんなにも忘れてしまったことに驚いた。
この祖父は大事な時に、何らかの霊的メッセージを僕にくれる。
これは、録音・録画好きだった祖父から僕への数十年ぶりのプレゼントだ。
