2020-10-26 Mon
温泉が恋しくなる季節と言われれば夏より冬と答える人が大多数だろう。うちの近くもよい温泉がいくつかある。
温泉の記憶。
初めて温泉というものに浸かったのは、4歳か5歳くらいの頃だ。
父親の会社の慰安旅行について草津(だったと思う)に行ったのが最初だ。
おぼろげな記憶を辿ると、硫黄の強烈な匂いと、露天の岸壁にこびり付いたぬるりとした黄土色を思い出す。
そして、大勢で裸になり、同じ湯に浸かる状況を奇異に感じていたような気がする。
それからいくつもの温泉に入ってきたけれど、いわゆる観光客向けではない地元の人が入りに来る温泉というのが面白い。
父親の出身が鹿児島で、その関係でたまにそちらへ帰る際に地元民しか来ない温泉、というより名目は老人健康センターに付帯する温泉に入りにいく。
湯気の中で半分も分からない会話に耳を傾け、話しかけられないか少しドキドキし、それでもなんだか落ち着いてきて湯気の中に少しずつ微睡んでゆく。
そんな感じが好きだ。
そういう歌を何年も前に作った。