2020-01-31 Fri
太陽の光が気持ちの良い日だったので、植物たちを日光浴させた。窓際に植木鉢を並べて座っていたら、自分も一つの鉢に植って居る植物になったようだ。
空気と水と光と、土の栄養で生きている生命体。
この4つの要素は、植物だけでなくどんな生き物にも不可欠で重要なものだ。
これらは現代、特に都市生活を送る人々にとっては容易に得難いものとなってしまった。
努力して獲得しなければならない自然。
自然を得るために作られるシステムによる自然破壊。
この世界に人間が誕生した時、創造主は人間を幸福に満たす全ての環境を与えたらしい。
与えられた世界に満足できなかった人間。
善悪の知識の木になる実は、今では陸海空輸で全国津々浦々、時間指定でお届けされている。
人間は一体何を補うために、今日まで絶えず建設しているのか。
全知全能の創造主がどこかでミスをしたなんてことは有り得たのか。
僕たちはこれからどこを目指していけばいい。
積み上げてきた科学技術を捨て去り、山や海へ帰っていくのが正しいのか。
森に囲まれた小屋に棲み、小さな畑を耕して、太陽と月のリズムに合わせて寝起きする。
鳥は未だかつて聴いたことのない響きをもって歌い、風は僕たちの心の揺らぎを推し量って吹く。
光は細胞の一つ一つに他の惑星からの新しい情報を絶やすことなく注ぎ込む。
やがて歳をとって僕たちも老いた。
病にかかる。
痛みは日に日に増し、耐えがたい苦痛は救いを求める。
いっそ、自分で自分を騙したい。
けれども薄れる意識の中で求める幻惑的なモルヒネは、もうこの世界にはない。
そんなシナリオは、現代を生きる自然回帰主義者の頭に少なからず浮かぶのかもしれない。
でも、どうなんだろう。
アダムとイブは風邪なんか引いたりしたのかな。
