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■プロフィール

MAMEFUTATSU

Author:MAMEFUTATSU
TORU(Vocal/Acoustic Guitar)とARISA(Piano,Keyboard/Chorus)による音楽グループ。

2015年7月、結成。
2016年9月、初音源集「SOUNDSCAPE」を発表。
2019年2月、2st「I Will Never Die」を発表。
2022年11月 3rd「Country driver」を発表。
全作品はitunes等各配信サイトより配信中。

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タイ紀行文(三日目)
本日は、アユタヤへ向かう。
起床し、閑散とした繁華街を通り抜け、いつものレストランでグリーンカレーヌードルを食らう。
から〜いんっ!
辛くて眠気覚ましにはもってこいである。

それからタクシーで、タイ全土の旅の発着点であるファランポーン駅へ行く。
アユタヤへは、ここから列車に乗って北へ80kmほど、約1時間半くらいのプチトリップだ。
駅前でタクシーから降りると、色んな人が声をかけてくる。
どこへ行くのか?どこから来たのか?
昨日のトゥクトゥクの件で、みんな怪しい輩に見えるわい。
まあ半分くらいは本当にそうだと思うけれども。
愚生は遥かなる地平線を仰ぎ見る眼差しを表情に携え、「そなた達の存在は、われは一切知覚しておりませぬ」オーラを出しつつ、足を早め、そそくさと券売所で切符を購入。
券売所のおばはんが、当然のごとく20分ばかり遅れると申すので、駅構内のカフェでコーヒーを飲んだり、暑いのにホットコーヒーを頼んでしまった事を後悔したりしながら、列車を待つ。
時間となり、発着場へ行くと予定通り遅れてきた列車が定時に構内へ滑り込んできた。

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「旅情湧くプラットフォーム」

早速乗り込んで指定の座席番号を探し、着席。
中々心地よいではないか、想像していたよりも小綺麗だ。
気分よく車窓の眺めなどを楽しみながら、これから始まる快適な旅に心を躍らせた。
走り始めて10分ほどすると、車掌が巡回に来た。
切符の確認であろうと切符を差し出すと、「YOUの座席、ここじゃないアルヨ」と申すではないか。
ここは一等車だから労働者階級の末端に属するのぬしらは、隣の汚い二等車両へ移りなさいという事である。
愚生の購入した切符は二等車両の切符であったのだ。ぬを〜ん。

仕方なく、隣の車両へ移動し、座席を探す。
すると愚生の着席するべき座席にはおっさんが寝そべっている、それもシートをもの凄く倒しながら。
なんだかおっさんを起こして席を交換してもらうのも面倒くさくなったので、後ろの空いている座席に座る。
先ほどの席より当然ながらボロい。
椅子のリクライニングシートが勝手に倒れ、寄りかかる事が出来ない。
さらに前のシートに付帯している簡易テーブルに、先ほど飲みきれなかったコーヒーや提供された水などを置いたのだが、おっさんが寝返りを打つたびに椅子全体がぐらんぐらんと動き、その度にコーヒーカップ等を持ち上げなければならないという緊張の糸を途切れさせる事の出来ないデンジャラスな状況だ。
「世界の車窓から」みたいな優雅なプチトリップとはほど遠いではないか、むしろ何がプチトリップだ!プチとは何だ!プチとは!大体おっさんの席は我が輩の席である!
などと沸き立つ苛立と煩悶の心の揺さぶらせているうちに、列車はアユタヤへ到着。
下車するときに、おっさんは我々に向かって「ウェルカムトゥータイランド」みたいなことを発した。
何だか拍子抜けして可笑しくなってしまった。

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「おっさんの状況を見極めながらテーブルの上のものを素早く移動させる」

アユタヤ駅から出ると、観光の客引きと思われるおっちゃんがすぐに声をかけてきた。
3時間で色んな遺跡をトゥクトゥクで回ってあげるよ、との事。
トゥクトゥクと聞いて警戒心MAXとなったが、値段交渉をハッキリしたのち、800バーツ(約2400円)で交渉成立。
もっとディスカウントできたと思うのだが、日本円に換算すれば高くはないであろうと思い、手を打った。
経済状況の異なる国へ来ると、日本円では僅かな値段であるのに、異様に執着している自分が居ることにふと気づいたりする。
それは、ボられるお金が惜しいのではなくて、騙されているという感覚が悔しいのだと思う。
彼らにしてみれば、あんたたちの国ではそれくらい大した額じゃないし、この国ではたかが100バーツでも大助かりだ、それくらい気前よく出しなさいよ、それに旅行している事自体、贅沢でお金を持っている証拠じゃないかい?ということなのだろうか。
国と国との経済格差を解消するフェアトレードという貿易の仕組みがあるけれど、こういった現地で個人が何かを交渉するという事になった時に、適正な価格というものはどういう事なのだろう。
騙されまいとして、頑に現地の人々と同じ値段で乗車しようとする事は正しい事なのかなと思ったりした。
現地価格とボッタクリ価格、そのバランスを見極めて金銭を扱うことが出来ると、より旅上手になったりするんじゃないだろうか。

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「我がトゥクトゥク号」

そんなこんなで、おっちゃんのトゥクトゥクに乗り出発。
主要な遺跡を回ってもらう。
アユタヤは以前一度来た事があるが、古代から時を止めたままである。
1300年代〜1700年代までの間、ビルマ軍に滅ぼされるまで約400年間王朝として栄えた。
ビルマ軍によって朝廷を破壊され、首だけになった仏像が静かに心に諸行無常を語りかけてくるようだ。

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「この仏像と一緒に写真を撮るときは仏像より人間を上にして撮影してはならない、という注意板がある。」

遺跡めぐりの途中、ぞうさんに遭遇。
観光用にお金を払って象に乗せてくれるところがあるのだ。
観光用といえども、専用のルートなどは整備されておらず、車の往来する一般道を象が突っ切って歩いてゆく。
日本であれば、もちろんトップニュースの大問題で「平穏な郊外都市の昼下がりに暴走した象の群れが車両を妨害し大混乱!!」などと騒ぎ立てるに違いない。
愚生は、この国のおおらかさは好きだ。
経済に有益となる物流を円滑化させるためでしかない日本の道路と、人間の利益の為の活動とは無関係な象や牛が行き交っても「問題がない」道路。
どっちが自然だろうか、いずれにしろ、道路は自然の上に、土や岩や海や川の上に覆い被せるにして作られている。
近代文明で人間がアスファルトの下に隠してしまったものは何か、そしてそれを誰が再び引き剥がし、探り当てるのだろう。
それはやっぱり人間にしかできない。

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「経済至上主義がもたらした人類と自然界との間における文明的摩擦に関して考察しているのはこの人ではありません_その1」

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「経済至上主義がもたらした人類と自然界との間における文明的摩擦に関して考察しているのはこの人ではありません_その2」

そんな事を思いながら、遺跡巡りを終え、アユタヤ駅へ戻ってくる。
途中で銀行や行きたいお店など立ち寄ってくれた終止にこやかなおっちゃんに感謝のチップを渡し、列車に乗る。
おっちゃんどうもありがとう。
ちょうど日没の時間、車窓から燃え立つ赤紫色の空を見た。
こんな空はずっと忘れないだろう。

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「薄暮の空」

テーマ:タイ旅行 - ジャンル:旅行

旅なんです | 13:37:17 | コメント(0)
タイ紀行文(二日目)
タイと日本の時差は、タイのほうが二時間遅れで進んでいる。
タイ時間で午前7時に起床すると、日本時間では午前9時ということだ。
これが逆だと少しつらいが、こちらではたくさん眠れたことになるので、体調はよい。
まあ帰国した際に、この二時間分のツケが清算されることになるということだ。

起床した後、昨夜食事したレストランの隣の隣にあるこれまたビーガン対応レストランで朝食を取る。
グリーンカレーのスープに麺が入ったものと、マンゴー&バナナのパンケーキを注文した。
グリーンカレーはさすが本場である。
すこぶる辛く、起き抜けのボケた脳天を否応無しに直撃してくる。
パンケーキはグルテンフリーとのことだが、何の粉を使用してるのかは分からず。
マンゴーとバナナはうまし。

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「からい朝食」

さて、食欲が満たされ生命活動が活発化したホモ・サピエンス一行from japanは、チャオプラヤ川を目指して歩き始めた。
チャオプラヤ川にはたくさんの客船が行き来しており、観光客だけでなくバンコク市民の交通の足となっている。
川に付設された乗船場のチケット売り場で、切符を50バーツで購入後、乗船する。
1バーツが約3円くらいなので僅か150円くらいだが、これでも外国人料金らしくタイ人は20バーツで乗っているようだ。
これが基本料金で距離が延長されると割り増しになっていく仕組みらしい。
船は50人も乗れば満員かというくらいのサイズだ。
船着き場はたくさんあるので、乗船している世話人のおばはんに行きたい場所を事前に伝えておくと、降りるときに知らせてくれる。
タイといえばまずお寺であろう。ということでワット・アルンで降りたい旨を告げ、20分ほどで船を降りた。
ちなみにワットとはタイ語で寺院を指す。

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「乗船時間が短いため船酔いは大丈夫だと思います」

船着き場からワット・アルンはすぐそこであった。
お寺の入り口ですこぶる不機嫌なおうなからチケットを購入する。
他のお寺や遺跡でもそうであるが、チケットカウンターにいるおばはんやおうなは10中8、9不遜な態度である。
おそらく何十年の間、何千何万枚というチケットを売り続けてきた人生に辟易しているのであろう。
そこで、愚生はそんな日々の生活という魔物に捕われたバンコクレディーに言いたい。
いっそ転職してみてはどうか?
たまにはカットフルーツとか棒で撫でると声が出るカエルの置物とか、もう少し趣向の異なったものを売ってみてはどうか?
それにより、また違う自分の一面と人生の可能性に気づくことがあるいは出来るのではないか?
などと、も切りのおうなのこの先の身の振り方について思案していると、いつの間にかお寺の高台まで昇り詰めいていた。
眺めの良い景色である。
川を挟んで、対岸にはワット・ポーやバンコク市街地が見える。
河川の流れる平野に文明は栄える、という愚生が学業を放棄する前の12歳前後の知識の片鱗が目の前に広がっている。
馬鹿でも分かる歴史、それは実際に見るということだ。
勉強になりました。

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「高台からのながめ ではなく仏陀の頭はこんな使い方してはいや!という看板。右から2番目が興味深い」

そして渡し船に乗って次に向かったのが、高台から見えたワット・ポー。
こちらは、きんきらきんの涅槃仏で有名なお寺である。
涅槃仏がある建物へ入ると、大勢の観光客が涅槃仏を見上げている。
デカい。
高さ15m、全長46mの仏像が鷹揚に横たわっている様を見るとr、人が矮小であることを否応無しに実感させられる。
そしてそれを作ったのもまた人であるという妙。
平らな足の裏には精密な紋様が描かれている。
仏像には通常の人間とは異なる三十二の身体的特徴があり、その一つが扁平足であるらしい。
扁平足である隣の某A氏はそれを知り、何やらニタリニタリと喜びを噛み締めている。

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「頭部 こんにちは大和国の若輩者よ」

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「すてきなへんぺいそく」

ワットポーを後にし、お腹も空いてきたね、ほもさぴえんすだもの。
ということで、ローフードのお店へ向かうことにした。
まずは駅へ移動するためにトゥクトゥクと呼ばれるオート三輪タクシーと交渉する。
人当たりの良さそうな運転手のおきなに「サーティ・バーツ、ok?」と確認したのち、後ろの荷台を改造した座席に乗車。
バンコク中心市街地なら大体30~50バーツくらいが相場と頭に入れておいたので、安く済んで気分もよい。
雨が降ってくるというので、濡れないようにと親切に車体にカバーを被せてくれて、出発。
風を肌で感じながら、街中を走り抜けるのは、タクシーでは体験できない心地よさがある。
車の間を軽快にくぐり抜け、15分ほどで駅へ到着した。

「サンキュー!おきな!」と言い、紙幣を差し出す。
すると、先程と声色が一変し、「ノーノー!スリーハンドレット!」と言う。
300バーツ。
相場の数倍の値段である。
これはボラレているなと感じ、散々言い合ったのち、支払わない態度を貫くと、go back。
乗車したワットポーに引き返し始めた。
振り出しに戻る。ぬい~ん。
結局メーター式のタクシーを捕まえて再度駅へ。
バンコクではよくあるボッタクリであろうが、まあタダでトゥクトゥク乗れたからよし!と気を取り直して電車に乗る。

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「精一杯のみせかけの優しさをくれたおきな」

電車は、台湾にもあったMRTという都市環状線の地下鉄であり、切符の代わりにトークンというコインが乗車券である。
10分ほどして下車し歩くこと30分、目的のお店へ到着。
テラス席に腰を下ろし、パスタを注文。
ローフードとは、非加熱調理でいわゆる生食のことで、酵素を十分に摂取することができる。
運ばれてきたパスタを一口食べると、あれ、麺が麺じゃない。
麺状のそれはズッキーニらしい。
初ローフードに感心しペロリと完食、お店を後にする。

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「パスタ ナッツがうまい」

それからコーヒーを飲んだり、カオサンロードをふらふらしたりしつつ、穴蔵へと戻る。
休息した後、夕方に再び朝食を食べたレストランへ。
店内はたくさんの外国人でにぎわっている。
カオサンの近くではベジタリアン・ビーガン対応のお店は数カ所に限定されているので、周辺に滞在しているそれらの人々はみんな集まる所が一緒のようだ。
数日のうちに、何度か見掛ける人がいる。

今回は、グリーンカレー風味のライスとラザニアを注文。
承知していたが、グリーンカレーがすこぶる辛い。
しかも、このライスは朝に食べた麺をはるかに凌ぐ辛さである。
汗を噴き出しながら、必死に食す。
味は最高。

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「おつかれホモ・サピエンス1from japan」

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「現地人へ近づきつつあるホモ・サピエンス2from japan」

いやはや本日は色んな意味で辛い一日であったが、それをひっくるめて完全に楽しんでいた。
でめたしでめたし。
明日はアユタヤーへ向かうぞう。

テーマ:タイ旅行 - ジャンル:旅行

旅なんです | 17:00:00 | コメント(0)
タイ紀行文(初日)
タイへの旅を思い立ったのは、台湾から帰国し成田空港から自宅へ向かう電車の中であった。
なぜタイに決まったのかはわからない。
まるで工場の生産ベルトのように秒刻みで整然と運行されていく鉄道ダイヤと、取り憑かれたようにスマホを見つめ続け運ばれていく人々を見て、混沌と混乱に満ちた喧噪の街中で、香草やスパイスの匂いやお香の煙がこんがらがった土埃の舞う風を受けたいと感じたかったのかもしれないと分かったのは、タイから帰国した電車の中である。

台湾の旅から約一ヶ月後、MAME一行はバンコクへと旅立った。
今回も台湾と同様に格安航空券を予約して、ネット上で事前チェックインを済ませておいたので、素早く搭乗手続きを終えることができた。
チェックインカウンターで前に並んでいた客の女性は、肩幅の広さから見ておそらくニューハーフではないかと我がニューハーフレーダー(以下NHR)は反応していたのだが、手続きのやり取りの声色からNHRの感度に狂いはないようであった。
超過になった荷物の重量を連れの者とシェアしたいのだが、その連れが遅刻している様子で、もの凄い剣幕で電話をかけている。
「てんめなにしてんねん、はやっくこいやあぼっけ!!」等、男性としての自我を再認識するかのようにドスの利いた声で罵っている。
程なくすると、付き人っぽい冴えない坊主の男が現れ、ニューハーフ氏の横でうろたえた目をしながら立ち尽くしていた。
タイはニューハーフが大勢いる都市なのでショーに出演しに行くのであろうか。
結局、超過料金3万円ほど徴収されるようであった。
おそるべしLCC。
彼らの旅の成功を祈る。

事前にネットで搭乗する格安航空会社の評判を見ていたところ、やれ機内が狭いだの、エンジンから不快音MAXの轟音が聞こえるだの、過去に空中分解して墜落したジェットは実はハイジャックされて米軍基地へ突っ込もうとしたところ軍のステルス戦闘機で撃ち落とされただの、不安をかき立てる記事のオンパレードであったが、実際のところは至って快適な空の旅であった。

日本時間で九時過ぎに出発し、タイのドンムアン空港に午後二時前に無事到着した。
入国審査を通過し、空港の入り口あたりで立ち尽くしていると、タイ人のおばはんがやってきてどこに行きたいのかと尋ねてくれる。
今回の旅の拠点はバンコクのカオサンロードに近いゲストハウスである。
われはカオサンロードに行きたいのである、というと4番のバスに乗れという。
しばらくすると、これ半世紀くらい前に納車されたんじゃないか、というようなオンボロ4番バスがやってきて、それに乗車した。
よく整備されておらず部品がかみ合っていないのか、アクセルとブレーキを踏み替えるごとに異なる奇怪音を発しながらも、何とか出発し、高速道路に入った。
しばらく走っていると、バス停もないところで急にバスが減速し停車した。
何事かと思っていると、後方から道路脇を歩いてくる一団が見える。
どうやら先に走っていたバスが故障してしまい、こちらに乗り換えてきたようだ。
車掌のおばはんが、ようこそ私たちのバスへ!とばかりに乗り込んでくる客たちに対して満面の笑みを浮かべて迎えている。
乗り込んできたヨガマットを携えた白人男性は暗い顔である。
我らが4番バスの無事を祈りながら小1時間ほど走ると、スマイルおばはんがカオサンロードに着いたことを知らせてくれる。
どうやらバンコクの旅と人生の旅を同時終了しなくて済んだようだ。

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「オンボロバスからの風景 写真がソフトな光彩なのは画像編集効果ではなく窓ガラスの汚れによるもの」

カオサンロードは世界中のバックパッカーが集まる多国籍ロードである。
通りを歩くと欧米人、特に白人がたくさん歩いている。
通り沿いには、カフェ、レストラン、マッサージ屋、服屋、ゲストハウスなどが軒を連ねており、どの店からもロックやレゲエ、クラブミュージックなどがガンガンに聞こえてくる。
今回の宿はこのカオサンロードの1ブロック隣にあるサワディーハウスというゲストハウス。
チェックインカウンターではニコニコスマイルのバンコクガールが対応してくれる。
先ほどのスマイルおばはんもそうだが、タイ人女性はスマイルを絶やさない。すてきな国民性だ。
チェックインを終え、階段を上り3階の部屋へ案内される。
部屋の中は、まずまずきれいである。シャワーとトイレはユニットだが、お湯もしっかり出るしゴキブリご一行も滞在していない模様。
ひとまず安心し、荷を降ろして一息つく。
旅の初日といものは、自分ではあまり動いていないと感じても、存外、乗り物の移動で体に負担がかかっているものだ。

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「カオサンロードにて 日泰競演パフォーマンス」

とりあえず早めの夕飯をとり明日に備えよう、ということで事前に目星をつけていたビーガン料理店へ出向く。
カオサンロードを抜けて2~3分ほどで目当ての店を発見。
緑を基調とした内装で、ドアや壁がなく広いテラスにテーブルと椅子が並べられている。
開放感があってよろし。

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「ハートなんですよ要は ハート」

とりあえず、タイといえばパッタイであろう、そして暑い国といえばココナッツジュースであろう、という品行方正な日本人の思考回路を備えた愚生は、迷わずそれを注文した。
結論から言うとそれは正解であった。
パッタイにはモッチリした麺と一緒にこりこりのナッツがちりばめられており、ヤングコーン、トマト、人参などの炒め野菜がモリモリ入っている。
ココナッツジュースは、実をくり抜いたものに、そのままストローとスプーンを添えて出してくれた。
台湾と同様に、ここでも太れそうだ。

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「ベーガンパッタイ うまし」

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「ココナッツジュース ギンギラギンにさりげない眼差し」

BMI指数を上げることは、愚生の旅のミッションの一つでもある。
お腹も満たされ、ふらふらとゲストハウスに一旦戻った後、一階にあるレストランでChang Beerで乾杯。

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「瓶のロゴにゾウさん ゾウさんは素敵だ」

ようやくはるばる遠い所へきたんだな、という感慨になる。
レストランでは、音楽を始めた高校生時分によく聞いていた60〜70年代の古き良きロックが丁度良い音量で流れている。
そのころ本で読んだ沢木耕太郎氏の「深夜特急」を思い出す。
アジアからヨーロッパまでを放浪した著者の自伝的物語を読みながら、まだ見たことのない国々の遠い空に想いを馳せたものだ。
「アジアを旅するなら、まずはカオサンに行けばいい。」

程よく酔っぱらったところで、空飛ぶゾウと戯れる夢でも見たいぬ〜んと期待しながらふらふらと3階の寝床に帰る。

まずは順調な滑り出しである。ぬい~ん。

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旅なんです | 10:52:52 | コメント(0)
台湾紀行文(最終日)
サヨナラ台湾、また会う日まで。

今日は台湾トリップの最終日である。
大和国への帰国フライトは夕方なので、若干余裕がある。

起床し、荷物をまとめてお世話になったゲストハウスを後にする。
静かな空間とやや内向的なオーナーよ、どうもありがとう。

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「穴倉を去る」

さて、食べ納めということで向かったのは、やはり近所のおこわ売りと餃子店。
朝からこんなにおこわと餃子を食べる日々は当分無いであろう。
一口一口を噛みしめながら食べたいところだが、バクバクと一瞬のうちに平らげる。
酔拳使いのおこわ売りのやや若い男と餃子店のやや顔なじみになったおねえさんよ、どうもありがとう。
商売繁盛して、いつかおこわ御殿と餃子キャッスルを建ててくれい。あばよ。

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「おこわを売っていた通り」

それから台北地下鉄MRTに乗り、阿里山珈琲が飲めるというカフェへ向かった。
阿里山は、台湾中南部に位置する山間地域の総称で、最高峰2663mという台湾において特に標高の高い地域である。
カフェは、日本人の方がオーナーで阿里山の珈琲のおいしさに魅了され、脱サラしてこちらでお店を開かれたらしい。
中に入ると、シンプルな内装で居心地がよさそうである。
白人のお客さんも居て中々おしゃれなところだ。
Tシャツだろうがタンクトップだろうが柔道着だろうが、白人が開放的な窓を備えた空間で珈琲を飲んでいれば、日本人のファーストインプレッションとしては大概中々おしゃれなところになるのだ。
早速、阿里山珈琲を注文し飲んでみると、酸味のきいた癖のない味が口と鼻を通り抜け、起き抜けの一杯に似合う珈琲だなと思った。
ごちそうさまでした。

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「左の少年が持っているのは珈琲ドリップ秘伝の書ではなくおそらくクッキングシートの類であろう」

それから食べ納めパート2ということで、豆花店へ。
台湾版かき氷みたいな甘味を注文し食べてみた。
マンゴー&さつま芋が練りこまれた思われる団子にタピオカが降り注がれている。
美味い!でも多い!!
海外で往々にしてあるこのパターンに陥りながらもなんとか完食。
ごちそうさまでした。

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「台湾の神秘ブラックパール丼と名付けたい」

我が胃袋はこれ以上の申し受けを拒絶している模様であり、出発までの残り時間はツボ納めということで足ツボマッサージへ。
店内には3台ほどのリクライニングシートがあり、カウンターにオーナーらしきおじさんが居る。
オーナーらしきおじさんに30分コースを申し伝えると、シートに座るように指示を受ける。
座って間もなく、奥のほうからマッサージ師のおじさんが出てきて、手際よく足を拭き施術を開始した。
気持ちよくマッサージを受けていると、隣から何やら物騒な声が聞こえてくるではないか。
先に施術を受けていた隣のおじさんが悶絶中の模様である。
どうやらその苦しみから発せられる言語からすると大和国の民のようだ。
大の大人がマッサージ程度でわめくのではない!と己の肉体と精神に対し説き伏せようとしながらも痛みを堪えきれない様子で、まるで波打ち際でじゃれるゴマアザラシの様に右に左に身体をひねっている。
そのうちに、これはもう笑って誤魔化すしかないっちゃ!と方針転換した模様で恥じらいの笑みを湛えながら、参った参ったなどど発している。
痛みが治まった時点で少し会話をすると、アザラシおじさんは神戸から来たとのこと。
この指圧地獄を耐え忍び、無事祖国へ帰還できることを祈るばかりであった。
一方、愚生は数日前に一度マッサージを受けていたのか、後生ですからわしらの田んぼと畑の作物を差し出す代わりに、その足つぼを刺激するのを止めてはくれますまいか!?という困窮状況に陥ることもなく、快適に施術を楽しむことができた。
いずれにしてもこのマッサージ店はおじさん密度が多分に濃い、と自らの考察点を振り返りながら店を後にしたのであった。
それぞれのおじさん達よ、どうもありがとう。

そんなこんなで時間も差し迫ってきたので、最後のMRTに乗って空港へと移動し、定刻通りの便に搭乗した。

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「桃園空港行きのMRTからサヨナラフォト」

機内でこの旅を振り返りつつ、台湾を後にする感慨にふけっていると、機長よりアナウンスが入る。
何でも、トイレの排泄スウィステムの不具合により出発が20分ばかり送れる、との事。
まあそんなこともあるさぁと平和的かつ穏やかな琉球の民のような気持ちで排泄スウィステムなる機器の復旧を祈っていたのであるが、それから1時間以上何の連絡もなく機内がざわつき始めたころに再度アナウンスが入る。
何でも、トイレの排泄スウィステムは復旧の目途が立ったが離陸後すぐに使えないのでこれからトイレ行きたい人は空港に戻って行ってきてション、との事。
もそもそと己の膀胱スウィステムに不安がある人々が立ち上がり、機外へと出てゆく。
結局、排泄スゥイステムの復旧及び搭乗客の全膀胱スゥイステム漏洩危惧が解消され離陸できたのは、予定時刻から大幅に遅れた約2時間後であった。

成田から自宅までの終電にぎりぎり間に合うかどうかの瀬戸際に立たされながらも、間に合わなかったら上野あたりのゲストハウスに泊まればいいんじゃないすか、ぐらいの心持で帰国の路に着いたのであった。

謝謝台湾!!謝謝龍山寺!!!

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「たのしかったたいわん(台南市安平にて) 台湾三獣神」



テーマ:台湾旅行 - ジャンル:旅行

旅なんです | 08:00:00 | コメント(0)